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93話 反対咬合は治した方がいいと思います。

不正咬合であっても、治療をしない人はいます。

それはそれで良いでしょう。何事もご本人の意思が尊重されるべきです。

だだ、どんどん悪くなって行く様を目の当たりにした時には、残念に思います。

学校歯科検診において、反対咬合の症状が去年より悪化している児童に会うときは複雑な気持になります。私は所定の書式に反対咬合であることを記載することは出来ますが、それ以上のことは出来ません。その後、専門機関を受診する・しないはご両親の判断にゆだねられます。

不正咬合は適切な時期に適切な治療をすれば治ります。しかし、なにもしなければ治りません。

適切に治療した症例を紹介します。

【初診】

7才 男子

反対咬合を気にして来院しました。

はじめは矯正相談です。現在の状態、将来のこと、その他全て説明します。















































矯正治療を希望する場合は後日連ご絡下さい。検査を行います。

検査資料を精査した結果、本症例は上顎前歯の内側傾斜と下顎の機能的前方移動のために反対咬合になっていることがわかりました。矯正治療は原因にアプローチします。

上顎前歯の角度を修正して上下前歯の不良な衝突を回避させれば、下顎の前方誘導が除去され、反対咬合は治るはずです。

【反対咬合の改善】

治りました。正しく治療されたならば、ものの数か月で改善します。
























この後は定期的に観察します。永久歯の生え変わりや顎の成長を診ていきます。

【永久歯の萌出】

14才、永久歯が生えそろいました。















































この時点で再評価のため検査をします。

さらに緊密な咬合を獲得するため、第二段階の治療をはじめます。

マルチブラケット治療の開始です。

【治療後】

治療期間12か月。

マルチブラケット装置は外して保定に移行します。















































矯正治療をするもしないもご本人の意思です。

ただし、反対咬合は治した方がいいと思います。

放置の結果、下顎骨が過成長した場合は矯正治療単独では治せなくなる可能性があるからです。反対咬合未治療の子どもを知る周囲の大人は、このことを知っておいて下さい。

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