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33話 不正咬合はなぜ治さなければならないか。

不正咬合はなぜ治さなければならないか。

不正咬合は歯・顎・舌・筋肉・呼吸・習癖などのバランスを欠いた時に発生します。あなたは、あなたの子どもはこの不均衡な状態のままで生活するのでしょうか。不正咬合があるとQOLは低下します。QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは、人生の内容の質や生活の質のことを指します。矯正治療をする、しないということはどう生きるかという問題でもあります。


初診時年齢 15歳 男子。歯列の凸凹を気にして来院されました。


【初診時口腔内写真】


















































【マルチブラケット治療終了時】













































初診時にあった歯列の凸凹は解消されました。

不均衡であったものが均衡になり、機能的で美しい歯並び・咬み合わせの完成です。


【術前と術後】

術前と術後の写真を比べてみましょう。

ひとつ考えてください。それぞれの歯並び・咬み合わせの状態で歯ぎしりをしたとします。顎の運動がスムーズなのはどちらでしょうか。














当然ながら術後のほうです。治療前の状態では、上の歯と下の歯にひっかかりがあり、顎の運動がスムーズではありませんでした。過剰に負担のかかる歯もあり、外傷性の歯肉退縮が生じています(術前写真:下顎の前歯に歯肉退縮)。

一方で、人間には環境に適応して生きようとする能力があります。たとえ不正咬合であっても、それなりに順応し生活できます。ただ、本人はQOLの低さに気が付かないまま生活します。矯正治療の結果、均衡のとれた歯並び・咬み合わせになった時QOLは向上します。本人は、この時はじめて治療前の機能の低さに気付くことでしょう。より良く生きるために、不正咬合は治さなければいけないのです。

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