8話 治療後のイメージを考える
様々な不正咬合があります。骨格そのものが小さかったり、大きかったり。
歯の凸凹の量が少なかったり、多かったり。
横顔の外観上、口元が出てたり、引っこんでいたり。
咬み合わせが浅かったり、深かったり。
舌癖(ぜつへき)があったり、なかったり。
顔面周囲の筋力が強かったり、弱かったり。
種々の条件を考慮し診断、治療方針をたてます。
今回の症例は、歯の「凸凹が多く」、「咬み合わせが深い」タイプの不正咬合です。
診断の結果、第一小臼歯の抜歯が必要と判定、マルチブラケット治療を開始しました。
治療期間は1年10カ月、装置を外したところです。
毎回、治療の都度、仕上がりのイメージを考えながら針金(ワイヤー)の調整をします。深いかみ合わせ症例の治療後のイメージは、浅く仕上げることです。それ相応のテクニックがあります。理論と熟練が必要です。
深かった咬み合わせは改善されました。歯の凸凹もなくなりました。治療前に比べ咀嚼効率が良くなり、機能性が向上しました。そして何よりも美しくなりました。
見た目の印象が良くなり、表情も明るくなりました。矯正治療には大きな可能性があります。なお撮影の都合上、保定装置を外しています。