96話 混合歯列期 歯列に凸凹のある症例
歯列に凸凹がある症例をふたつ紹介します。 【症例1】 【 症例2】 歯肉の上の方がもっこりしているのが分かるでしょうか。触診すると犬歯の存在を指に感じとることができます。犬歯の生える隙間がない状態です。 例えば、この様な状態をみて、顎が狭いと言い出す歯科医師がいるかもしれま...
91話 子どもへの負担は少ないほうがいい
子どもの歯列に凸凹があっても、すぐに治療しない場合があります。 上下顎の関係に問題のない場合であって(反対咬合や上顎前突ではない)、 ①混合歯列の時点で著しい凸凹を有し、多少のスペース確保を施したとしても 意味をなさないような状況のとき。...
88話 歯を抜いた隙間はどう利用するのか
矯正治療の時、個々の歯があっちに行ったり、こっちに来たりと好き勝手に動いたのでは治る歯並びも治りません。そこで、移動してほしい歯と移動してほしくない歯を決めて、それぞれを制御する必要があります。いま、前者を移動部、後者を固定部と呼んでおきます。 ここで例え話をひとつ。...
87話 歯はどこに並べれば良いか
歯列の両側は頬っぺた、前方には唇がある。内側は舌です。 いづれも筋肉のかたまりであり、歯列は常に内から外からの圧力にさらされています。 これに咬合力が加わります。この様な環境にあって、歯列はなるべく居心地のいいところ、すなわち、力の中立地帯、ニュートラルゾーンに位置どりしよ...
86話 顎が発達しない?
「今の子どもは柔らかいものを食べているから顎が発達しない、だから凸凹がある」 はたして本当だろうか。凸凹の原因が柔らかい食事による顎の未発達であるとするのは早計ではないのか。早計(そうけい)とは「早まった考え」「軽率な考え」を表す言葉だ、軽率な考えか。 ①今の子ども...
84話 いつ治るの
何年にも渡って装置を使用しているけど改善が見られない。 という話しをたまに聞きますが、いつ治るかわからないようでは困ります。 ではなぜこの様なことが起きるのか考えてみましょう。 不正咬合には様々な種類があります。同じような症例であっても、その原因はそれぞれ違います。従って、...
81話 成人 叢生症例
叢生症例(そうせい~)。叢生とは歯列に凸凹がある状態を表します。 初診時の横顔のシルエットです。 頭部エックス線規格写真をトレースしました。 私たちが普段見ている家族や友人の顔は、顔の外観の軟組織を見ています。 私は人の顔を見たとき、その人の骨格や歯の状態を想像します。...
76話 歯並びを治そう
顔は知っているけど名前が出てこない。なんてことがあります。 例えば、私の場合。 痩せていて、眼鏡をかけている、髪の毛は薄い、顎ひげがあった。という具合に、その人の顔の特徴をとらえることは出来ます。しかし名前となると、急に頼りなくなる。加藤だったか、古藤だったか。...
74話 下顎は拡大してはいけない
次の2枚の写真は同じ人の口腔内写真です。 違いのは撮影時期です。混合歯列期と永久歯列期に撮影しました。(混合歯列:乳歯と永久歯の混合) 前歯の凸凹がどうなったか見比べて下さい。 7才 12才 前歯の凸凹の程度が少なくなりました。 さて、ここで問題です。...
71話 装置と歯並び
私が矯正治療について考えるときは、歯と顎を分けて考えます。 例えば、成人で歯列に凸凹がある症例といっても、以下に示すように上下顎の関係性は様々です。 ①上下顎の前後関係が上顎前突傾向のもの ②上下顎の前後関係が反対咬合傾向のもの ③上下顎の前後関係が正常なもの...