55話 早ければいいというものではない
歯列は次の三つの段階を経て成長します。 乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)。 不正咬合があったとしても、乳歯列期での治療の必要性は高くありません。混合歯列期まで定期的に観察するだけで良いでしょう。 【初診時】 本症例は混合歯列期の反対咬合症例です。 【第一段階】...
54話 その話は信用できるのか
反対咬合症例であっても、乳歯列では治療の必要はありません。小学生になった時点で改善がなければ、矯正歯科医に相談して下さい。 また、何かの事情で反対咬合の治療時期をのがした場合であっても、気が付いた時点で矯正歯科医院に行ってください。成長期を過ぎた反対咬合が必ずしも手術になる...
51話 必要のない矯正治療をする必要はない
矯正歯科業界にも様々な有料の勉強会やセミナーがあります。一般歯科の先生が矯正治療をやってみたいと思えば、そういったところを受講することになるでしょう。数回の講義を受けるだけで修了証が得られるというものです。セミナーの内容は主催者の自由な考え方に基づいているため、独自のセオリ...
50話 簡単な症例などない
たいていの歯科医師は、ワイヤーの曲げ方や装置のことを知りたがります。しかしながら、不正咬合を治すのは針金でもなく装置でもありません。正しい診断が不正咬合を治します。例えばヒトの発生や成長といった基礎的な知識を習得することは診断の精度を上げ、結果的に治療を成功に導きます。...
44話 一本の歯が引き起こす問題
一本だけ反対咬合でも、この一本の歯がいろいろな問題を引き起こしています。 このことについて説明します。まず、通法にしたがって検査・診断をします。 本症例の治療方針は以下の通りです。 第一段階:上顎前歯の配列による機能的障害の除去と反対咬合の改善 観 察:側方歯交換の誘導...
42話 二段階治療
ヒトの歯列は、乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)と成長します。乳歯列期に不正咬合があったとしても、この時期は治療せず観察します。 乳歯列に隙間がないからといって、歯列拡大など早期に治療する必要はありません。 混合歯列期は、生え変わりの時期に相当します。子どもの矯正...
41話 早過ぎてはいけない、遅過ぎてもいけない
子どもの反対咬合は、適切な時期に適切な治療をしなくてはいけません。とくに横にズレるタイプは放置することのないようにして下さい。 全ての症例は検査資料を採り、診断をして治療方針をたてます。今回は、小学3年生 男子 反対咬合症例です。 本症例の治療方針は...
40話 埋伏歯 ②
過去記事に埋伏歯①があります、今回は②です。あなたは、この症例をどう考えますか、一緒に診ていきましょう。 【初診時口腔内写真】 17歳 女子 正面に歯が縦にふたつあります。過剰歯でしょうか。それと、前歯の形が左右で違います。...
38話 顔を治す
さっそくですが、本症例の診断結果を以下に示します。 ①骨格性反対咬合である ②下顎が前に誘導されている ③かつ、左に顎変位していく ④上顎前歯2本の先天欠如 治療ではここに挙げた点について、ていねいに対応していきます。ただ、ひとつだけ治療を難しくする要素がありました。それは...
37話 装置は何でもいい、ただし筋は通せ。
矯正治療は原因にアプローチすることで、達成されます。そのためには資料を正確にとること、正しい診断をすることが必要です。間違った診断は、間違った治療に発展します。 【初診時】 小学1年生 男子 反対咬合は次のタイプに分類されます。...