101話 骨格の異変に気付かず時間が経過した例
ひとつの事にこだわり過ぎると、まわりが見えなくなる。私たちは普段の生活でも経験することです。 このことは矯正治療にも当てはまります。 例えば、歯列に凸凹があり、そこに集中するあまり他の症状を見落してしまうことがあります。...
97話 成長期の矯正治療
矯正治療をする歯科医師に一番必要な資質は診断能力です。 矯正治療は原因にアプローチしてこそ良い治療効果を発揮します。間違った診断によって導かれた「原因」アプローチした場合、それは有害な治療となります。 ただ、トンチンカンな治療行為であっても、疑似改善することがあります。この...
93話 反対咬合は治した方がいいと思います。
不正咬合であっても、治療をしない人はいます。 それはそれで良いでしょう。何事もご本人の意思が尊重されるべきです。 だだ、どんどん悪くなって行く様を目の当たりにした時には、残念に思います。 学校歯科検診において、反対咬合の症状が去年より悪化している児童に会うときは複雑な気持に...
90話 急速拡大装置という病
「不正咬合の解決は、その原因にアプローチすることでなされる」 しかしながら、不正咬合の種類に関係なく全ての症例に対し、急速拡大装置を使用する歯科医師がいます。彼らの説明用パンフレットやホームページには、急速拡大装置で上顎を拡大にすることによる独自の考えがうたわれており、装置...
89話 歯の移動には設計図がいる
歯列の凸凹と反対咬合をあわせもつ症例です。 さっそく治療しましょう。 【初診】 16才 女性 前歯部は反対咬合です。 歯列の凸凹の程度は上顎で多く、下顎では少ない。 左右の臼歯関係も反対咬合の傾向を示すが、臼歯部の狭さは見あたらない。...
83話 下顎真下、上ぶどう
乳歯とこれから生えてくる永久歯の位置関係について知る事は重要です。 下顎の骨は大腿骨と同じ長管骨に分類されます。下顎骨は一本の骨がアーチ状になったと考えて良いでしょう。構造はシンプルで、下顎の永久歯は乳歯の真下に位置取りします。...
80話 反対咬合は放置しないこと
反対咬合症例の怖いところは、下顎骨が今後どれくらい成長するのかが、予測できないことでです。 ほとんどの症例は反対咬合の改善治療のあと、安定した経過をたどりますが、一部の症例では、想定を超える力強い成長がじりじりと続く場合があります。...
75話 成人 反対咬合症例
あきらめる必要はありません。 成長期を過ぎた反対咬合であっても、矯正治療が可能なことも多くあります。 外科矯正になるのか、矯正治療が可能なのかは診れば分かります。 ご相談ください。 【初診】 19才 男性 顔の状態は示しませんが、反対咬合の特徴をもっています。...
73話 適切な年齢で適切な治療をすること
矯正治療で大切なことは、考え方に筋が通っているかどうか、ということです。 事の道理、事を行うときの正しい順序が重要視されます。 矯正治療を進める筋道は次の通りです。 ①学術的知識 ②症例の問題点の抽出(検査・診断) ③技術 ④治療効果の判定...
67話 乳歯列期の反対咬合が観察でよい理由
「乳歯列期の反対咬合が観察でよい理由」 最初に結論を述べます。 それは「後でも治るから」です。 実際の症例で検証してみましょう。 【乳歯列期】 本症例は、乳歯列後期または混合歯列前期と言った方が正確かもしれません。 6才 女子...