94話 乳歯を咬合に参加させた症例
歯列に凸凹のある症例です。 検査資料を精査した結果、非抜歯で治療可能です。 さて、この症例、よく見るとちょっとだけ違和感があります。歯の形を左右で見比べていきます。 下顎歯列の写真で、向かって右側の臼歯部に一本だけ形の違う歯があることに気付きましたか。 【初診】...
56話 埋伏歯 ③
最初にレントゲン写真を示します。 パッと見てどこに違和感を感じますか。 そうです。向かって左上の犬歯が引っかかって生えてこれない状態ですね(本人の右上)。 次に、同じレントゲン写真に番号を付けました。 もう一度質問します。どこに違和感を感じますか。...
43話 過剰と不足
矯正歯科に従事していると、過剰歯、欠損歯、癒合歯、埋伏歯、形態異常など、いろいろ経験します。問題は、個々の歯の形や数にとらわれるのではなく、口腔全体としてどう調和させて、美しく整え、機能するかを考えることです。今回は、そんなお話しです。 【初診時口腔内写真】...
26話 上の前歯が一本ない場合。
ほとんどの患者さんは、歯科医師であればだれでも矯正治療が「出来る」と思っています。 違います、「出来ません」。説明します。 歯科医師が矯正治療の医療行為を行う事自体は違法ではありません。この点において「出来る」でしょう。重要なのはちゃんと「出来る」かという事です。あなた本人...
25話 乳歯の晩期残存
乳歯の下、顎の骨の中にあるはずの永久歯が先天的に存在しない場合、歯の生え変わりが行われず乳歯が歯列に残ることがあります。このこと自体、比較的多く見られることで、乳歯が他の永久歯と協力して機能していれば、特に問題ありません。今回は、乳歯の晩期残存(ばんきざんぞん)のため不正咬...
20話 仕上がりを予測する・先天欠如の場合
歯の先天欠如はそれ程珍しいことではありません(統計データは他に譲ります)。先天欠如、すなわち歯がないこと自体は問題となりません。問題は歯がないことで隣り合う歯が傾斜したり、傾斜した結果、咬み合う歯と不良な接触が生じることがあることです。今回は、そんな話題です。...