85話 成長と治療時期
成長とは何か。 成長とはものが大きくなることをいいます。子どもの体は大きくなって大人の大きさまで達します。 矯正治療では、この成長を利用することがあります。私が治療時期にこだわるのはこのためです。 骨格性の上顎前突症例、男性です。 【初診】 11才...
79話 簡単に治る方法はありますか?
不正咬合の原因は、ひとつではない。種々の要素が複雑に絡み合って生じていると考えた方がいい。 まず骨格だ。上顎と下顎の関係だけでも最低次の三つを考える。 前後的関係、垂直的関係、水平的関係。 そして歯。歯列の凸凹の有無、量は当然のこと、個々の歯の状態はどうなっているのか。例え...
70話 矯正の価値は装置ではない、結果です。
これから矯正治療をはじめようと考えている人が、装置に関心をもつことはわかります。目立たないとか、取り外しだとか、魅力的な言葉に惹かれるのが人情です。 その心理をうまく利用して経営戦略する歯科医院があるので、仕方のないことではあります。...
69話 歯科医師選び
歯科医師にもいろんな先生がいます。 私のように矯正治療が得意な人もいれば、そうでない先生もいます。 従って、同じ症例であっても、担当医の考え方ひとつで治療方法が異なることがあります。このことは歯並び・咬み合わせの相談をどこでするかによって、ご自分の未来が変わってしまうことを...
64話 安易な歯列拡大・部分矯正・歯を削る方法
不正咬合を治療するときは、歯と顎顔面のバランスを考える必要があります。 例えば、不正咬合の種類によっては、顔つきに特徴がでます。 下顎前突(反対咬合)は下顎前突の顔に、上顎前突(出っ歯)は上顎前突の顔に。 ここまでは何となく想像できると思います。 次は聞きなれない言葉です。...
57話 大人だから矯正治療
きっかけがなかった。 かといって、もう年だから矯正治療には、なかなか踏み出せない。 いいえ、大人だからこそ矯正治療をして、美しさと健康を手に入れるのです。 今はそんな時代です。 何もしないのも自分、行動するのも自分。決めるのも自分です。先ず矯正相談をして、やるやらないを考え...
49話 成長期の観察には意味がある
私は大抵の場合、「歯並び・咬み合わせ」と表現しています。歯並びを治しましょうではなく、歯並び・咬み合わせを治しましょうという具合です。それは「歯並び」と「咬み合わせ」が独立して存在しているのではなく、共存していると考えるから、この二つを合わせて呼んでいます。...
48話 唇を閉じることが出来ますか。
上顎前突症例 成人 女性 【初診時側貌】 著しい上顎前突のため、唇が閉じずらいので普段は唇の隙間から前歯が見えています。 唇を閉じる時は、かなり努力して閉じることになるので、顔の皮膚は引っ張られてオトガイ部(下顎の先)にウメボシ状隆起(皮膚の凸凹)ができます。...
46話 歯を抜かない矯正治療
矯正治療には二通りあります。 歯を抜く必要のない症例(非抜歯症例)と抜く必要のある症例(抜歯症例)です。前者を「抜かない矯正」として、ことさら強調しセールスポイントにしている場合がありますが、それは「抜かなくてもできる症例」であって、特別なものではありません。...
39話 顔を造る
前回のテーマは「顔を治す」でした。 矯正治療では、歯の凸凹を治すだけではなく顔の外観も変えることができます。反対咬合は反対咬合の顔、上顎前突は上顎前突の顔をしておりそれぞれの特徴を有しています。また、口元がもっこりした感じの場合、正しい診断と治療技術によって改善できます。今...