22話 埋伏歯 ①
埋伏歯(まいふくし)と読みます。顎の骨や粘膜下に埋まっていて、生えてこれない歯のことを言います。タイトルの埋伏歯に番号①を付けました。今後、このシリーズがあった時の為の整理番号です。 症例 左上犬歯が生えてこないのを気にして来院しました。通法に従い、検査・診断をします。...
21話 子どもの反対咬合
反対咬合の治療時期は、早ければいいというものではありません、しかし、遅いのも困ります。適切な時期がありますので、矯正歯科認定医に相談してください。ひとつだけ覚えてほしいことがあります。それは、小学校の高学年になると背が大きくなるのにともなって、下顎も増大する傾向がある。とい...
20話 仕上がりを予測する・先天欠如の場合
歯の先天欠如はそれ程珍しいことではありません(統計データは他に譲ります)。先天欠如、すなわち歯がないこと自体は問題となりません。問題は歯がないことで隣り合う歯が傾斜したり、傾斜した結果、咬み合う歯と不良な接触が生じることがあることです。今回は、そんな話題です。...
19話 責任を果たす。
ブログでは口腔内写真だけの掲載ですが、矯正治療の診断は口の中だけ診て判断するものではありませんので、誤解のないようにしてください。検査資料は他にもありますが、あえて載せていません。 さて、成人の反対咬合症例です。次に示す写真を見るときは以下のことを考えながら見てください。...
18話 矯正治療をする・しない
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉を再確認してみましょう。QOLとは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまり、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概...
17話 木を見て森を見ず
矯正治療をするうえで、歯の凸凹の量が多いか少ないかは重要な問題ではありますが、凸凹の量だけが、抜歯・非抜歯(ばっし・ひばっし)を決める要因にはなりません。言い換えれば、凸凹がなくても抜歯するケースがあります。今回はそんな、おはなしをします。...
16話 歯を抜かずに治療できる例
このブログでは、わたしが治療した症例を紹介しながら矯正歯科の話しをしています。いままで紹介してきたマルチブラケット治療はたまたま、抜歯症例が続いていました。抜歯・非抜歯(ばっし・ひばっし)の判定は、術者の好みや、流行りの治療方法で左右される性質のもではありません。検査資料を...
15話 反対咬合の分類
反対咬合を分類します。 ①、歯の傾斜角度がたまたま反対のタイプ(歯性反対咬合)。 ②、下顎が大きい、上顎が小さいなど骨格に問題のあるタイプ (骨格性反対咬合)。 ③、その他。 原因によって治療方法は全く違いうので正しい診断が必要です。検査資料を採っただけでは意味はありません...
14話 アンバランスからバランスへ
抜歯・非抜歯の判断は、先生の好みや流行りの治療で左右される性質のものではありません。また抜歯が悪で非抜歯が善ということでもありません。学術的に正しく判定された結果が優先されます。この結果を無視し、抜歯症例を無理やり非抜歯で治療することが悪なのです。...
13話 横顔のバランス
抜歯・非抜歯(ばっし・ひばっし)の判定は、基準値と患者さんの検査資料を照らし合わせて行われます。使用する基準値は、大学などで古くから研究蓄積されてきた日本人のデータを用います。検査資料のうち、抜歯分析で用いるデータは以下の通りです。 ①歯の凸凹の量(大小)...