62話 抜くか抜かないかの話
歯を抜く矯正治療、歯を抜かない矯正治療。 そもそも抜く抜かないはどのようにして決めるのか説明します。 診断には精確な検査資料が必要です。 例えば、頭部エックス線規格写真(横顔のレントゲン)の撮影時に0. 数ミリでも咬み合わせにずれがあっては、そのレントゲン写真は使えません。...
61話 成人 開咬症例
奥歯は咬んでいるのに、前歯は咬んでいない、開いている。 不正咬合の一種で、開咬(かいこう)と言います。 程度の差はありますが、めずらしい症例ではありません。 子どもから大人まで、年齢に関係なく存在しますが、あなたは大丈夫ですか。...
60話 大人の矯正治療
ここ最近、当医院では40才以上の女性の矯正相談が増えています。 子育てが少し落ち着いた。今まで気になってはいたけれど、矯正治療の機会がなかった。理由は人それぞれでしょうが、ようやく矯正歯科医院にたどり着きました。 矯正相談では現在の状態、治療方法、治療効果などひと通りの説明...
59話 平成特集
「矯正治療のはなし」をはじめてから一年が過ぎました。週一回の投稿を続け59話目になります。代替わりの節目に「平成特集」と題して、1話から58話までのタイトルと代表的画像を、ひとつのページに掲載しました。ページをまたぐことなく一挙に閲覧できるので、目次としても利用できます。ご...
58話 矯正治療という名の誤解
成人女性、歯並びを気にして来院されました。 【初診時】 矯正治療の技術を持たない場合、向かって左上の二番目の前歯を抜いて(本人の右)、その両隣の歯を細く削り、連続した差し歯、いわゆるブリッジを入れる方法をとるかもしれません。色・形を統一するとして、犬歯から犬歯の合計5本の歯...
57話 大人だから矯正治療
きっかけがなかった。 かといって、もう年だから矯正治療には、なかなか踏み出せない。 いいえ、大人だからこそ矯正治療をして、美しさと健康を手に入れるのです。 今はそんな時代です。 何もしないのも自分、行動するのも自分。決めるのも自分です。先ず矯正相談をして、やるやらないを考え...
56話 埋伏歯 ③
最初にレントゲン写真を示します。 パッと見てどこに違和感を感じますか。 そうです。向かって左上の犬歯が引っかかって生えてこれない状態ですね(本人の右上)。 次に、同じレントゲン写真に番号を付けました。 もう一度質問します。どこに違和感を感じますか。...
55話 早ければいいというものではない
歯列は次の三つの段階を経て成長します。 乳歯列(期)→混合歯列(期)→永久歯列(期)。 不正咬合があったとしても、乳歯列期での治療の必要性は高くありません。混合歯列期まで定期的に観察するだけで良いでしょう。 【初診時】 本症例は混合歯列期の反対咬合症例です。 【第一段階】...
54話 その話は信用できるのか
反対咬合症例であっても、乳歯列では治療の必要はありません。小学生になった時点で改善がなければ、矯正歯科医に相談して下さい。 また、何かの事情で反対咬合の治療時期をのがした場合であっても、気が付いた時点で矯正歯科医院に行ってください。成長期を過ぎた反対咬合が必ずしも手術になる...
53話 異所萌出
上顎の前歯がご覧の状態です。 歯が変なところから生えてきました。異所萌出と言います。これも矯正歯科の仕事です。 通法に従い検査資料を採り診断します。 【初診時】 9才 男子 【初診時レントゲン写真】 過剰歯が邪魔になり、歯が方向を変えています。 【誘導完了時】...