82話 進学と就職と転勤
進学や就職などで矯正治療が中断することのないようにしましょう。 そのためには、治療開始の時期をいつにするかが重要です。 私が永久歯の治療をする場合の治療期間は1年半から2年です。 また、成長期の二段階治療の場合は治療期間、観察期間がもう少し複雑になります。...
81話 成人 叢生症例
叢生症例(そうせい~)。叢生とは歯列に凸凹がある状態を表します。 初診時の横顔のシルエットです。 頭部エックス線規格写真をトレースしました。 私たちが普段見ている家族や友人の顔は、顔の外観の軟組織を見ています。 私は人の顔を見たとき、その人の骨格や歯の状態を想像します。...
80話 反対咬合は放置しないこと
反対咬合症例の怖いところは、下顎骨が今後どれくらい成長するのかが、予測できないことでです。 ほとんどの症例は反対咬合の改善治療のあと、安定した経過をたどりますが、一部の症例では、想定を超える力強い成長がじりじりと続く場合があります。...
79話 簡単に治る方法はありますか?
不正咬合の原因は、ひとつではない。種々の要素が複雑に絡み合って生じていると考えた方がいい。 まず骨格だ。上顎と下顎の関係だけでも最低次の三つを考える。 前後的関係、垂直的関係、水平的関係。 そして歯。歯列の凸凹の有無、量は当然のこと、個々の歯の状態はどうなっているのか。例え...
78話 抜くか抜かないかの話2
口の中だけで判断していけないのは、重々承知の上であえて質問します。 次に示す二つの症例のうち、症例Aは歯列に凸凹があり、症例Bにはありません。 どちらかが抜歯症例で、どちらかが非抜歯症例です。 あなたは、どっちがどっちだと思いますか。 症例A 症例B...
77話 正しい診断ができない理由
犬歯が飛び出ているとうい点で、八重歯の症例に見えます。 でも、普通の八重歯とはチョット違う感じもします。 みなさんは、どう考えるでしょうか。 正面と横からの画像を見てみましょう。 【初診】 私が違和感をおぼえたのは、犬歯の角度と位置です。...
76話 歯並びを治そう
顔は知っているけど名前が出てこない。なんてことがあります。 例えば、私の場合。 痩せていて、眼鏡をかけている、髪の毛は薄い、顎ひげがあった。という具合に、その人の顔の特徴をとらえることは出来ます。しかし名前となると、急に頼りなくなる。加藤だったか、古藤だったか。...
75話 成人 反対咬合症例
あきらめる必要はありません。 成長期を過ぎた反対咬合であっても、矯正治療が可能なことも多くあります。 外科矯正になるのか、矯正治療が可能なのかは診れば分かります。 ご相談ください。 【初診】 19才 男性 顔の状態は示しませんが、反対咬合の特徴をもっています。...
74話 下顎は拡大してはいけない
次の2枚の写真は同じ人の口腔内写真です。 違いのは撮影時期です。混合歯列期と永久歯列期に撮影しました。(混合歯列:乳歯と永久歯の混合) 前歯の凸凹がどうなったか見比べて下さい。 7才 12才 前歯の凸凹の程度が少なくなりました。 さて、ここで問題です。...
73話 適切な年齢で適切な治療をすること
矯正治療で大切なことは、考え方に筋が通っているかどうか、ということです。 事の道理、事を行うときの正しい順序が重要視されます。 矯正治療を進める筋道は次の通りです。 ①学術的知識 ②症例の問題点の抽出(検査・診断) ③技術 ④治療効果の判定...