102話 一本の歯が引き起こす問題 その後
100話にわたる記事の中には、終了した症例もあれば現在進行形の症例もあります。 そのうち「44話 一本の歯が引き起こす問題」で紹介した症例は第一段階を経て定期的に観察しています。その経過を報告します。 【上顎】 初診時、一本の歯が内側に傾斜しています。 【正面1】...
101話 骨格の異変に気付かず時間が経過した例
ひとつの事にこだわり過ぎると、まわりが見えなくなる。私たちは普段の生活でも経験することです。 このことは矯正治療にも当てはまります。 例えば、歯列に凸凹があり、そこに集中するあまり他の症状を見落してしまうことがあります。...
100話 歯の移動を制御するということ
歯や顎はどこに移動させればいいでしょう。 あっちか、こっちか、そしてどのくらいか。 矯正治療では、この目標をきちんと決めておく必要があります。 そのためには、精確な検査資料を採得し正確に分析します。 計算はコンピューターがやってくれますが、その数値を解釈するのは人間です。...
99話 矯正治療をする人・しない人
あなたは次に示す歯並び・咬み合わせを見て、どう思いますか。 ゆっくりした速度で見ながら、じっくり考えてください。 【A】 私はきれいな歯並び・咬み合わせだと思います。どこにも違和感はありません。 これくらいきれいだと、笑ってもしゃべっても爽やかこのうえないでしょう。...
98話 歯を移動させるということ
次の二枚の写真は別人のものです。 二人とも見た目が気になるとのことで矯正相談に来られました。 みんな、矯正治療をする一番の動機は「見た目」です。 Aくん Bさん この見た目を治す方法として、自分の歯をここからあっちへと移動させることが出来たらイイと思いませんか。...
97話 成長期の矯正治療
矯正治療をする歯科医師に一番必要な資質は診断能力です。 矯正治療は原因にアプローチしてこそ良い治療効果を発揮します。間違った診断によって導かれた「原因」アプローチした場合、それは有害な治療となります。 ただ、トンチンカンな治療行為であっても、疑似改善することがあります。この...
96話 混合歯列期 歯列に凸凹のある症例
歯列に凸凹がある症例をふたつ紹介します。 【症例1】 【 症例2】 歯肉の上の方がもっこりしているのが分かるでしょうか。触診すると犬歯の存在を指に感じとることができます。犬歯の生える隙間がない状態です。 例えば、この様な状態をみて、顎が狭いと言い出す歯科医師がいるかもしれま...
95話 歯並び・咬み合わせってなに?
「歯並び・咬み合わせ」の言葉の意味を確認します。 「歯並び」は歯の並んでいる様のことを言います。 「咬み合わせ」は二者が互いに合わさっている様のことを言います。 実際の症例を使って「歯並び・咬み合わせ」を表現してみましょう。 【症例1】 歯並びが悪い。 【症例2】...
94話 乳歯を咬合に参加させた症例
歯列に凸凹のある症例です。 検査資料を精査した結果、非抜歯で治療可能です。 さて、この症例、よく見るとちょっとだけ違和感があります。歯の形を左右で見比べていきます。 下顎歯列の写真で、向かって右側の臼歯部に一本だけ形の違う歯があることに気付きましたか。 【初診】...
93話 反対咬合は治した方がいいと思います。
不正咬合であっても、治療をしない人はいます。 それはそれで良いでしょう。何事もご本人の意思が尊重されるべきです。 だだ、どんどん悪くなって行く様を目の当たりにした時には、残念に思います。 学校歯科検診において、反対咬合の症状が去年より悪化している児童に会うときは複雑な気持に...